不妊症
不妊症
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。男女とも加齢により妊娠が起こりにくくなることが知られており、治療を先送りすることで成果が下がるリスクを考慮すると、一定期間を待たないですぐに治療したほうが効果的である場合もあります。
不妊のカップルは約10組に1組と言われていますが、近年、妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。
不妊症の原因調査
不妊症の原因の半数は
男性因子が関係します。
男性因子が関係します。
不妊症の代表的な要因
検査
- 血液検査
- 各種ホルモン(LH FSH プロラクチン エストラジオール プロゲステロン 甲状腺ホルモン)
耐糖能検査 抗精子抗体、風疹抗体、クラミジア抗体(卵管閉塞の原因となる感染症の既往)
- 超音波検査
- 子宮・卵巣の形態を確認。
また、卵胞の発育や子宮内膜の変化で排卵日を推定
- 子宮鏡検査
- 子宮腔内に子宮鏡を直接挿入して異常がないかを調べる検査
- 卵管通過検査
- 子宮卵管造影(HSG)検査:子宮と卵管に造影剤を注入し、レントゲン撮影にて子宮腔内の形態の異常、卵管の通過性をみる検査(連携病院に紹介)
- 精液検査
- 採取した精子の運動率、濃度、量などを検査し、男性因子の有無を確認
治療
2022年4月より、当院は厚生労働省の定めた一般不妊治療の施設基準満たした登録施設となりました。
当院では自然、もしくは排卵誘発剤を使って超音波で排卵日を推定するタイミング法からはじまり、洗浄・濃縮人工授精まで行っております。
- タイミング療法
(排卵誘発法) - 妊娠しやすい時期に夫婦生活を持ってもらう指導の事をタイミング療法と言います。超音波で卵胞の大きさを診て排卵日を予測します。
排卵誘発法とは内服薬や注射で卵胞発育を促進し、同様に超音波で排卵日を推定します。
- 洗浄・濃縮人工
受精 - 卵胞の発育をモニターし、排卵日と思われる日に、精液を培養液で洗浄濃縮し、子宮腔内にチューブを使って、直接注入し受精を促進する方法
人工授精(Artificial Insemination)
なお、体外受精・顕微授精が必要な方は高度生殖医療機関に紹介させていただきます。
不育症
不育症とは、22週以前の流産を繰り返す反復流産(2回以上の流産)、習慣流産(3回以上連続した流産)に加え、死産、早期新生児死亡を繰り返す場合を言います。当院では、血液検査や子宮鏡検査で原因を検索します。
但し、さらなる検査や治療が必要な場合は、専門家に紹介いたします。